島根県奥出雲町・追谷地区の棚田が「つなぐ棚田遺産」に選定 2022-03-08

日頃より、おにぎりカフェ うめ乃をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。本日は、うめ乃で提供している「源流仁多米こしひかり」の生産地についてお知らせいたします。

この度、「源流仁多米こしひかり」の生産地・島根県仁多郡奥出雲町追谷地区の棚田が、農林水産省主催の「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」(以下、つなぐ棚田遺産)に選定されました。

追谷地区の棚田の風景

「つなぐ棚田遺産」とは

棚田地域の活性化や棚田の多面的な機能を、国民に広く理解してもらうために、棚田地域の振興に関する取り組みを積極的に評価し、優良な棚田を認定する取り組み。
平成11年に認定された「日本の棚田百選」を改定し、令和4年2月14日に開催した「つなぐ棚田遺産選定委員会(第2回)」において、追谷地区を含む271の棚田が「つなぐ棚田遺産」として選定されています。

▼農林水産省 紹介ページ
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/sentei.html

「つなぐ棚田遺産」に認定された背景には、追谷地区の棚田の歴史文化と、それによってもたらされた景観の両面を評価されたことにあります。

「鉄の産地」から「米の産地」へ。追谷地区の棚田の歴史

世界の鉱山のほとんどが、採掘後は無残に投棄されて荒廃の道をたどる中、たたら製鉄の広大な跡地は黄金に輝きを放つ稲田へと姿を変え、食通をうならせる米の産地となりました。

■江戸時代後期から明治初頭に、「たたら製鉄」で栄える

たたら製鉄とは、日本古来より行われている鉄を作る技術のこと。「鉄穴(かんな)流し」という独特な手法で良質な砂鉄を採掘し、豊富な薪炭林を利用して砂鉄を製錬しており、日本を代表する鉄の一大産地でした。この鉄穴流し跡に拓けた広大な棚田の一つが、この度「つなぐ棚田遺産」に認定された追谷地区の棚田です。

私たちを魅了する美しい棚田景観の多くは、鉄穴流し跡地

また、たたら製鉄は鉄の生産のみならず、多面にわたり奥出雲の歴史文化に多大な影響を与えてきました。例えば、燃料木炭製造にかかる山林経営、輸送・農耕のための牛馬の改良や流通道路網の整備のほか、竹崎の十七夜や大呂愛宕祭りなどの伝統文化を生み出しました。

■平成26年に、「たたら製鉄と棚田の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定

歴史と文化が残る特別な棚田と景観は、文化的価値のあるものと認められ、平成26年3月18日に「たたら製鉄と棚田の文化的景観」として国の重要文化的景観にも選定されました。

長い年月を経て作り出された、追谷地区の棚田風景

■平成28年から、棚田を核とした地域振興を展開中

奥出雲地区の芸術・文化に明るい未来を灯すべく、棚田のライトアップイベント「たたらの灯」をはじめ、田んぼアート、フォトコンテスト、ライトアップコンサートなどが行われています。

ライトアップイベントの様子

「源流仁多米こしひかり」について

“西の横綱”とも評される仁多米の中でも、追谷地区で生産されるお米としてブランド化した「源流仁多米こしひかり」は、噛むほどに広がる甘みと旨み、ふっくらもっちりとした食感、冷めても美味しい味わいが特長

美味しさの秘密は、生活排水の入らない綺麗な水、地元和牛のふん堆肥のみで作られた土壌、高標高による昼夜の寒暖差など、お米が特別に美味しく育つための環境が揃っていることにあります。

また源流仁多米こしひかりは、追谷地区の棚田でのみ育ったお米を、農家さんから直接お客様へお届けしています。他のお米と混ぜないこともこだわりの一つで、生産量も限られたとても希少価値の高いお米です。

おにぎりカフェうめ乃では、引き続き、源流仁多米こしひかりで握ったおにぎりを皆様にお届けいたします。追谷地区の歴史と文化が詰まった美味しいお米を、ぜひご堪能ください。


一覧